研究課題/領域番号 |
08672277
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
笠原 和恵 北海道大学, 歯学部, 助手 (60250461)
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研究分担者 |
飯塚 正 北海道大学, 歯学部, 助手 (80168062)
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キーワード | 加齢 / 骨梁の3次元形態解析法 / 骨空洞の治療過程 / ウサギ下顎骨 / 骨密度 / 病理組織学的研究 / BrdU免疫組織化学的研究 |
研究概要 |
加齢が下顎骨骨空洞の骨再生機序に及ぼす影響を明かにするために、平成9年度では平成8年度で行った生後14週齢の成長期ウサギと生後30週齢の成熟期ウサギを用いた。両群の下顎骨に骨空洞を形成し、手術14日後に動物を安楽死させ下顎骨を摘出し、10%ホルマリンに固定、EDTA液で脱灰後、通法に従いパラフィン連続切片標本を作成した。アザン・マロリ-染色して得られた病理組織像において下顎骨骨空洞内に形成された海綿骨の新生骨骨梁の形態とその配列に関して、画像解析装置(ツァイス社製IBAS)を用いて3次元的に組織像を構築した。その結果、成長期群では新生骨の骨梁幅は成熟期群と比較して太く、骨梁が3次元的に連続し、その配列も密で比較的規則的であり、全体として網目状となっていた。一方、成熟期群では骨梁幅は細く、骨梁の配列も不規則で、3次元的にも比較的密な部分と疎な部分が混在し、骨梁の連続性が低下し、骨梁が途絶していた。従って、組織計量学的にも成熟期群の方が単位体積当たりの骨梁数が多いにもかかわらず、骨梁の体積が小さく、骨量の低下がみられた。このように3次元形態解析法により、加齢が下顎骨骨空洞の骨再生機序において骨梁の狭小化、途絶、連続性の地下といった影響を及ぼすことが明らかとなった。また、新生骨梁先端部の骨芽細胞の細胞増殖動態について検索するために、平成8年度と同様にBrdU免疫組織化学的染色法を行った。平成8年度ではサンプルを酸脱灰して標本を作成し、1次抗体としてBECTONDICKINSON社製のマウス抗BrdUモノクローナル抗体を用いたが、平成9年度ではEDTA脱灰して標本を作成し、1次抗体はDAKO社製の抗BrdU抗体を同稀釈で用いた。その結果、BrdU陽性細胞数自体は平成8年度と同様の結果であったが、その染色性は本年度の方が明瞭であり、陽性細胞の検索、計測が簡便となり、有用な方法と考えられた。
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