研究課題/領域番号 |
08672324
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
福田 仁一 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (00106270)
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研究分担者 |
村木 祐孝 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (20265002)
立石 晃 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (60197390)
羽地 達次 九州歯科大学, 歯学部, 助教授 (50156379)
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キーワード | apoptosis / Fas antigen / gingira / immunohistochemistry / oral diseases / oral cancer / immunobloHing / oral epithelia |
研究概要 |
Fas抗原はTNFレセプターファミリーに属し、細胞にapoptosisを伝達する蛋白として同定され、Apo-1又はCD95と同一の蛋白である.我々は、ヒト口腔粘膜上皮におけるapoptosisとFas抗原の関係について研究を進めてきた.まず抗Fas抗体を用い、ヒト正常口腔粘膜におけるFas抗原の発現について検討した.ヒト歯肉より抽出した蛋白をSDS-PAGE後Western Blotting法で分析し分子量36kDaの蛋白を同定した.この分子量はアミノ酸配列より推定されるFas抗原の分子量と一致する.また、ヒト正常口腔粘膜組織切片を用い免疫組織化学的検討を行ったところ、細胞増殖能の強い基底細胞層はFas-陰性であったが、有棘細胞層はFas-陽性を示した。このことは、口腔粘膜におけるapoptosisが、Fas抗原と関係していることを示唆する.この所見の一部は既に印刷公表されている(Yoshioka et.al.,1996). さらに、口腔粘膜に生じる様々な粘膜病変(歯原性角化嚢胞、白板症、扁平苔癬、扁平上皮癌)を材料に免疫組織化学的検討を行い、Fas抗原の発現様式に違いが認められる事、口腔扁平上皮癌においては、分化度による発現の違いがあり、高分化型、特に角化傾向を示す場合に強い発現を認めた.これらの所見も既に印刷公表されている(Muraki et.al.,1997) 口腔粘膜上皮を材料にFas蛋白のプライマーを用いRT-PCRを行い、682bpのFas mRNAの発現を確認した.このPCR産物はFas抗原のDNAシークエンスと完全に一致した.また、臨床統計学的に扁平上皮癌を対象にFas抗原の発現とその予後についても検討を加えている.
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