研究概要 |
我々はC3H/Heマウスに扁平上皮癌NR-S1移植した実験モデルに対するIL-12の抗腫瘍効果について検討を行った。IL-12腹腔内投与群,IL-12局所投与群,についてまず検討を行ったところIL-12腹腔内投与群,IL-12局所投与群ともに対照群に比べて血中IFN-γ濃度の著明な上昇が認められたが明らかな腫瘍増殖抑制効果や生存日数の延長は認められなかった。しかし局所投与群は腹腔内投与群に比べて僅かながら腫瘍増殖抑制効果が高かった。この結果から局所投与により腫瘍細胞上の表面抗原が修飾されたこと、または腹腔内投与群に比べて局所血中濃度が維持されていたことなどが要因として考えられた為IL-12徐放製剤を開発しこれを投与することによりさらなる抗腫瘍効果が得られると考え徐放製剤を作製した。IL-12包埋材としてリポソーム(ジーントランスファー:和光純薬工業株式会社)を用いこの試薬1バイアルにIL-12 1000U/ml PBS溶液を混合し,ボルテックスミキサ-にかけてリポソーム懸濁液として,まずin vitroにおける徐放量を測定した。6well culture dishにRPMI1640 medium 3mlと上記のように作製したIL-12リポソーム懸濁液1mlを計4ml/wellとなるようにして2時間静置した後1時間毎に上清200μlずつ採取しELAISA kitを用いてIL-12徐放量を測定したが微量であった為m,in vivoへの投与を見合わせ,他の徐放製剤作製法を現在検討中である。
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