研究課題/領域番号 |
08672354
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 嘉晃 北海道大学, 歯学部, 助手 (00250465)
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研究分担者 |
吉田 重光 北海道大学, 歯学部, 教授 (80174928)
山本 克之 北海道大学, 工学部, 教授 (10088867)
脇田 稔 北海道大学, 歯学部, 教授 (40018916)
中村 進治 北海道大学, 歯学部, 教授 (80001791)
石川 博之 北海道大学, 歯学部附属病院, 講師 (20184492)
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キーワード | 歯の移動 / 変性組織 / 応力分布 / 有限要素法 / 歯根膜 / 組織変化 / 背部骨吸収 |
研究概要 |
前年度の研究実績より、歯の傾斜移動に際して圧迫側歯根膜の歯頚部付近には変性組織と歯槽骨が残存し、この部位が再荷重の際に新たな回転中心となり歯は移動することが組織学的検討から示唆された。また、生体力学的な観点から、変性組織は少なくとも-35kPaより大きいある一定以上の圧縮応力のピーク下で出現しこと、出現にあたっては力の大きさや性質の違いのみならず、歯根や歯槽骨の解剖学的な条件の違いが重要な要件であることが示唆された。このような結果から至適矯正力を考えると、解剖学的な要件は固体差や個々の歯さらには歯周組織の様相の差があり均質ではないことから、歯の移動に際しては直接性骨吸収を基本としつつも、変性組織が出現した際の歯の移動様式を検討することが重要と考えられた。これに基づき、本年度の研究では生じた変性組織の周囲の歯槽骨がどのように吸収していくかを検討項目とした。実験には成ネコの上顎犬歯を用い、100gの初期荷重を加え実験期間を7日間と14日間に設定した。これから墨汁注入標本ならびに血管鋳型標本を作製し、おもに、変性組織に面した歯槽骨に生じる背部骨吸収の様相について組織学的検討を行った。この結果、背部骨吸収は歯根膜の圧迫によって生じた変性組織に対応する歯槽骨骨壁内の貫通管内で生じ、この開始には貫通管の太さや貫通管内の血管の走行や分布、ならびに変性組織が押し込まれた結果として貫通管内に生じる応力分布が重要な要素を担っていることが示唆された。
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