研究課題/領域番号 |
08672372
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
日野出 大輔 徳島大学, 歯学部, 講師 (70189801)
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研究分担者 |
田部 慎一 徳島大学, 歯学部附属病院, 助手 (40284301)
大塚 千亜紀 徳島大学, 歯学部, 助手 (00263848)
玉谷 香奈子 (大和 香奈) 徳島大学, 歯学部, 助手 (40243711)
中村 亮 徳島大学, 歯学部, 教授 (30034169)
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キーワード | 熱ショックタンパク質 / 歯周病原細菌 / 歯周病原性 / 精製 |
研究概要 |
熱ショック蛋白質(HSP)の研究にあたり、菌の産生するHSPを分離・精製することは、生物学的性状を検索することはもとより、抗体などのTool作製の抗原としても利用できるため、重要である。本研究ではまず、歯周病原細菌であるPorphyromonas gingivalis、Actinobacillus actinomycetemcomitans及びBacteroides forsythusの菌体より主要なHSPであるDnaK様、GroEL様蛋白質の抽出を試みた。各菌体を1mM EDTA,0.2mM TLCK,0.3mg/ml lysozymeを含むトリス緩衝液中でソニケーターにより破砕し、粗抽出液とした。前述のHSPは弱いATP加水分解活性を有することからATP-agaroseカラムを用いたアフィニティークロマトグラフィーを行い、更に分取電気泳動の手法を用いて精製を進めた結果、P.gingivalis GroEL様及びDnaK様蛋白質、A.actinomycetemcomitans GroEL様蛋白質は1リットルの培養菌体より、それぞれ78μg、155μg、617μgと精製蛋白質のN末端アミノ酸配列の解析及びポリクロナール抗体作成に必要な量の標品を得ることが出来た。B.forsythusは菌の培養が難しいため、7リットルの培養液が必要であったが、GroEL様及びDnaK様蛋白質をそれぞれ225μgと87μg精製することできた。今回用いた精製方法は簡便であり、歯周病原細菌から2種のHSPを同時に精製することができる有効な方法であった。現在、これら精製HSPを用いてポリクローナル抗体を作成中であり、これにより感染症である歯周病の免疫機構との関連性をHSPの性状の検索とともに探究していく予定である。
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