研究概要 |
96年度は治療前、治療後、保定後の3模型を経年的な形態的変化の少ない高口蓋部で重ねる専用のプログラムを開発したが、97年度はさらに3症例を計測しこのプログラムの改良を行った。 1.昨年度は計測前に3個の模型に正中口蓋縫線を引き、これに対して左右の第一、第二、第三口蓋雛壁内側端から垂線をおろし左右のうち後方の点をそれぞれA、B、Cとしたが、すう壁は個人差が大きいので、今回は3模型を見比べすう壁を参考にして正中線上に3点をポイントする。 2.模型を基底面を下にして模型台の上に設置し口蓋の正中に対してほぼ直角に0.1mmピッチで走査線を走らせ、口蓋面のデータを取り込む。この際、A,B,Cの3点をポイントとして取り込む。 3.治療を基準模型とし、A,B,Cを含む面を正中面Xとする。これと模型の口蓋面との交わる線を仮想正中口蓋線とする。左右第一大臼歯遠心点を結び、正中面Xとの交点を原点P0点とし、正中面に直行する面Yを作り、口蓋正中線との交点を後方基準点D1とする。D1から3cm前方部分を固定ラインとする。移動模型も同様に後方基準点をD2としD2から3cm」前方を移動ラインとする。 4.D2をD1に重ねる。移動ラインを固定ライン上で前後させ、さらに上下5度の範囲で回転させ、最小値探索法により両曲線の2点間の距離の平均値がさいしょうになる、すなわち重なる部位を探す。次に、Y軸方向からも同様の探索を行い、2点間の距離の平均が最小になるように重ね合わせる。Average distanceを最小にするためには最終的には最終的には手技による調整が必要と考えられる。
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