本年度は、昨年度に引き続き乳歯隣接面齲蝕の光学的な診断システムを確立する為、乳臼歯の光学的特性などの基礎実験をもとに実験を進めた。 基礎実験 1.光源の検討 光源として、LED、ハロゲン、レーザーを用い、乳歯隣接面齲蝕の撮影を行った。それぞれの画像を3CCDカメラにて取り込み、画像処理を行い、光の屈折率や透過率などの光学的データーを収集した。どの光源でも齲蝕の広がりは輝度の低下として観察できた。しかし、LEDは出力が弱く、カメラを高感度にする必要性があり、現時点での口腔内での応用は難しいと思われた。レーザー光源は、白色レーザーを用いた。白色レーザーは高出力で波長も安定しており、光が拡散しないという特徴があり、今後臨床応用できるかどうか検討していく予定である。 2.X線診査との比較 従来のX線デンタルフィルムによる診査と、デジタルX線による診査を行い、光学的診断との比較検討を行った。光学的診断も従来のX線診査同様に乳歯隣接面齲蝕の観察が可能であると思われ、今後臨床応用の可能性があることが示唆された。 臨床実験 小児の口腔内にて応用できるよう、光源の方向などを検討中である。また、本大学付属歯科病院小児歯科において臨床データーを収集するため準備中である。
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