研究概要 |
-研究対象および方法- 愛知学院大学歯学部附属病院小児歯科外来を受診した健常児ならびに各種全身疾患を有する患児を対象に歯周組織の細胞学的特性について検討を行った。調査対象は本学小児歯科外来に来院した全身的既往歴のない健常小児および各種全身疾患を有する患児3名を被験者とし,各被験者群の歯周組織の臨床評価の比較,細胞学的特性として細胞増殖能線ならびにサイトカイン'EGF,FGF,IL-1β,IL-6)添加によるゼラチナーゼ(MMP2,MMP)の活性より検索した。 -結果- 1)歯周組織の臨床評価の比較 CPITN-codeの平均値においては健常児の歯肉炎に異常を認めない群は1.08,歯肉炎を有する群は6.71,全身疾患を有する群では14.67であった。PMA Indexの平均値では健常児の歯肉炎に異常を認めない群は9.0,歯肉炎を有する群は21.1,全身疾患を有する群では21.67であった。またP1の平均値では健常児の歯肉炎に異常を認めない群は0.37,歯肉炎を有する群は1.67,全身疾患を有する群では2.09であった。 2)歯周組織の細胞学的特性 (1)健常小児歯肉繊維芽細胞のサイトカイン添加によるゼラチナーゼの活性ではMMP2においてEGF,FGF,1L-1βは濃度依存的に活性が認められなかった。 (2)健常小児と抗てんかん薬服用児の歯肉繊維芽細胞の増殖能についてヒト歯肉繊維芽細胞(Gin-1)(American Type Collection社製)と比較した結果,抗てんかん薬服用児,Gin-1,健常小児の順で差が認められた。
|