研究概要 |
歯牙や骨組織に関する病理的な研究では、硬組織を含めた血管網の観察が必要である。しかしながら、レジン注入による血管構築法では血管自身の構造は明らかになるが、その周囲組織との関係を観察することは難しい。そこで我々は、コンピュータによる三次元画像解析を用いた立体構築を行うための基礎的研究を行った。本研究では、口腔病理学と情報工学的手法を組み合わせ、近年行われているレジン構築法では出来なかった血管網と硬組織および軟組織外形との関係を明らかにすることを目的とした。 実験は、本校座が所蔵している画像処理用コンピュータと光学顕微鏡に設置されたCCDカラービデオカメラを用いて、事前に種々の方法で染色された病理組織標本を入力し、画像ボクセリング法により立体構築を行った。 本年度は、前年度に課題となったガイドラインの設定および薄切法についての検討を行った。ガイドラインについては,今回あらたにゼラチン包埋法と絹糸を応用したガイドライン作成法を開発した。ゼラチン包埋法については,一般的に行われているゼラチンの硬さから,本研究で目的としているガイドラインが正確に保持出きる硬さを検討するために数種類のゼラチン溶液を作成して最適化を行った。その結果,試作されたゼラチン溶液によって,正確なガイドラインを作成できた。
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