1.我々は三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(BF_3・OEt_2)(1)とトリメチルシリルトリフレート(Me_3SiOTf)(2)が反応し、金属交換反応を経由して新しいルイス酸、BF_2(OEf)(3)を生成することを見いだした。この反応において、溶媒としてアセトニトリルが必須であった。アセトニトリルの役割について検討した結果3が生成するためには1のジエチルエーテルがアセトニトリルと配位子交換することが示唆された。すなわち、CDCl_3中1にアセトニトリルを添加していくとその比35:1で平衡に達し、^1HNMRを観測するとエーテルのメチレンシグナルが、4.17ppmから3.51ppmへ高磁場へシフトした。実際に他の溶媒中でもこのような比で1とアセトニトリルを混合させた後2を添加しアリルシラン存在下c-グリコシル化反応が容易に進行することが分かつ 2.この新しいルイス酸を用い、イドース型ピラノース誘導体に対してC-グリコシル化反応を検討したところ、分子内に存在する水酸基を保護することなく反応が高選択的に進行することを見いだした。また、水酸基が保護されている基質に対してもBF_3・OEt_2やMe_3SiOTfを単独で用いた場合よりも圧倒的に反応が速いことを見出した。
|