研究課題/領域番号 |
08672450
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
樹林 千尋 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (80057330)
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研究分担者 |
山崎 直毅 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (30277264)
青柳 栄 東京薬科大学, 薬学部, 助教授 (30212385)
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キーワード | 矢毒蛙アルカロイド / エピバチジン / 非オピオイド性鎮痛作用 / アシルニトロソ化合物 / 8-ナフチルメントール / ヘテロDiels-Alder反応 / π-スタッキング相互作用 / 不斉反応 |
研究概要 |
中南米に生息する矢毒蛙から300種に近いアルカロイドが検出されており、そのうち約半数についてはその特異な構造が明らかにされている。エピバチジンは新種の矢毒蛙アルカロイドとして1992年にNIHのDalyらにより報告されたものである。本化合物は、天然物としては唯一の例であるアザビシクロペンタン環からなる極めて特異な構造を有していること、およびモルヒネの数100倍という極めて強力な非オピオイド性鎮痛作用を持つことから新しいタイプの鎮痛薬開発への期待がかけられている。 本研究は、アシルニトロソ化合物の不斉ヘテロ・ディールズ-アンダー反応を利用する新しい合成戦略によりエピバチジンを合成することを目的として行われたものである。本合成の鍵段階となる不斉ヘテロ・ディールズ-アンダー反応は、光学活性な8-ナフチルメントールを組み込んだアシルニトロソ化合物とシクロヘキサ-1,3-ジエンを用いて行った。本反応は、アシルニトロソ基とナフチル基間のπ-スタッキング相互作用による配座固定および面遮蔽効果により高ジアステレオ選択的に進行し、環化付加成績体が単一ジアステレオマ-として生成することが判明した。ここに得られた環化付加成績体より不斉源を除去し、次いでN-O結合を還元的に切断することにより光学活性な環状アミノアルコールが高光学純度で得られた。本化合物は分子内C-N結合形成によりエピバチジンへ導くことが可能であり、ここにエピバチジンの新規キラル合成手法を基本的に確立することができた。
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