研究概要 |
日本産金時種ヒネショウガ新鮮根茎及び乾燥根茎(生姜)について、ラット受身皮膚アナフィラキシ-(PCA)反応を検討したところ、生姜のみに抑制活性が認められた。そこで、生姜の主含有成分のPCA反応及びcompound 48/80やイオノホアA-23187刺激によるヒスタミン遊離に対する抑制作用を検討した結果、主成分の6-shogaolに強い抗アレルギー作用のあることが判明した。6-Shogaolは、ショウガ新鮮根茎から生姜への加工調製の過程で、新鮮根茎の主成分である6-gingerolから二次的に生成することから、生姜の加工調製の意義や伝承薬効を考えるうえで興味深い知見を得た。また、強心活性試験として、モルモット摘出心房における陽性変力作用についてショウガ新鮮根茎と生姜の含有成分を比較検討したところ、新鮮根茎に含有される8-gingerolなどに強い活性が認められた。 木香の水溶性成分を探索した結果、新規アミノ酸結合型セスキテルペンsaussureamineA,B,C,D,Eを明らかにし、マウスでの抗ストレス潰瘍抑制作用のあることを見い出した。また、木香の主成分costunolideとdehydrocostus lactoneに、ラットでのHCl-エタノール潰瘍に対して非常に強い抑制(10mg/kg投与で抑制率90%以上)作用のあることや、NH_4OH誘発胃粘膜潰瘍に対して、3-30mg/kgの低用量で抑制効果が認められることを見い出した。 さらに、甘茶や芍薬から種々の薬理活性成分を見い出すなど、平成8年度当初計画を完全に達成した。
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