非食菌類に含まれる生理活性成分の検索の一環として、ほとんど研究が行われていない5種の子嚢菌類(チャコブタケ、ツボミタケ、ホウズキタケ、クロコブタケ およびクチキトサカタケ)の成分検索を行った。クロサイワイタケ科チャコブタケ(Daldinia concentrica)からは植物成長阻害作用を示す1種の新規ビスナフチル化合物、3種の新規ベンゾフェノン誘導体、3種の新規アザフィロン関連化合物が単離された。クロサイワタケ科ツボミタケ(Daldinia vernicosa)からはKB cellに対し強力な細胞毒性を示す16種の新規サイトカラシン関連化合物を得た。クロコブタケ(Hypoxylon truncatum)からは1種の新規ナフトキノン化合物、ホウズキタケ(Entonaemasplendes)より3種の新規アザフィロン関連化合物、クチキトサカタケ(Ascoclavulina sakaii)より、1種の新規デプシド、1種の新規デプシドンおよび1種の新規ニトロソ化合物を単離し、構造を明らかにした.その個体が小さいことおよび組織培養が困難なことからいままでほとんど研究が行われていなかった粘菌類(変形菌類)の真性粘菌マメホコリ(Lycogala epidendrum)の化学成分の検索を行い、植物成長阻害活性を示す12種の新規ポリアセチレントリグリセリドおよび単純ヘルペスウイルスI型(HSV-1)に対する抗ウイルス作用および抗酸化作用を有する3種の新規ビスインドール誘導体を単離し、構造を明らかにした。
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