研究概要 |
本年度は、ロバストニューラルネットワーク法に関し、昨年度の成果を元に、2,4-ジアミノ-6,6-ジメチル-5-フェニルジヒドロトリアジン誘導体のジヒドロ葉酸還元酵素阻害活性の定量的構造活性相関解析を行った。今回は、まず、出力層をシフトすることにより、中間層のニューロン数の調整を行った。この結果、中間層のニューロン数が25個〜30個の場合に、祖点と背景点が最も良好な関係を保ったので、以下、このニューロン数を用いて解析を行った。今回も入力記述子(π_2、π_3、π_4、MR_2、MR_3、MR_4、Σσ_<3,4>)のシフト検定を行ったが、削除されるものはなかった。 ロバストニューラルネットワーク法は、2種類の手法を用いた。 1)最初に線形性90%で学習させ、誤差の大きいもの38個を削除、線形性0%(通常のニューラルネットワーク)で学習させる。 2)段階的に80%→0%と線形性を減少させて行き、それぞれの段階で誤差の大きいデータの重みを小さくする。 この結果、1)の方法の場合、残差自乗和はE=23.27となり、ロバスト法を使用しなかった場合の30.01に比べて著しい改善が見られた。また、2)の方法でも、最終的な平均根残差自乗和、Epは、0.49となり、ロバスト法を使用しなかった場合の0.69に比べてやはり著しい改善を見せた。 この他、5層砂時計型ニューラルネットワークを用いた生理活性物質の分類も行い、相応の成果を上げることができた。この結果は、97年の情報化学討論会(熊本)にて発表した。
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