研究課題/領域番号 |
08672484
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
藤間 貞彦 北海道医療大学, 薬学部, 教授 (30001043)
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研究分担者 |
木村 昭彦 久留米大学, 医学部, 助手 (00211201)
吉村 昭毅 北海道医療大学, 薬学部, 講師 (60220737)
村井 毅 北海道医療大学, 薬学部, 助手 (50260823)
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キーワード | 胆汁酸生合成 / 先天代謝異常 / 胆汁うっ滞 / 高速液体クロマトグラフィー / 酵素免疫測定法 / ガスクロマトグラフィー / 質量分析 / オキソ不飽和胆汁酸 / 3-オキソ-Δ^1-ステロイド5β-還元酵素 |
研究概要 |
最近、新生児期に原因不明のの胆汁うっ滞から肝硬変に至り、肝不全で死亡した症例が各地で多発している。著者らは、本症患者の尿中から3-オキソ不飽和胆汁酸が多量に存在することを見出した。本胆汁酸は胆汁酸生合成中間体の側鎖が酸化切断したものであり、上記疾患は5β-還元酵素の欠損による先天代謝異常と推論された。本研究は、胆汁酸の標品を化学合成してGC-MSにより同定し、微量分析法を開発し、抱合型胆汁酸の体内動態の解明と酵素免疫測定法を開発して本疾患の病態解析法を確立することを目的とした。 1.GC-MSによるオキソ不飽和胆汁酸の微量分析法の開発と体内動態の解析:オキソ不飽和胆汁酸の体内動態及び生成機序を解明するため、前年度に続き、合成した標品をメトキシム誘導体としてGC-MSのSIM法によるこれら胆汁酸の高感度定量法を確立した。新生児及び患児の尿、血液について胆汁酸組成の変動を検討し、本症は3-オキソ-Δ^4-ステロイド5β-還元酵素の欠損又は活性低下に起因することが明らかになった。しかし、個体差が大きいので症例を増して詳細に検討する必要がある。 2.抱合型オキソ不飽和胆汁酸のHPLCによる微量分析法の開発と体内動態:抱合型の体内動態と明らかにするため、UV 245nm,280nmで紫外吸光検出するHPLCにより抱合型3-Δ^4-及び3-Δ^<4,6>-胆汁酸の10-500pmolの高精度微量定量法を開発した。患児尿中にグリシン又はタウリン抱合型として排泄されることが判明した。 3.オキソ不飽和胆汁酸の酵素免疫測定法の開発:標記胆汁酸のβ-アラニン-BSA結合物を調製し、家兎に免疫して高特異性の抗血清を作成した。次いで、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合物を用いる2抗体法によりELISA法を開発し、臨床医療における病態解析への適用を検討中である。
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