研究課題/領域番号 |
08672506
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
冨田 昌弘 三重大学, 工学部, 助教授 (20183494)
|
研究分担者 |
小林 淳 三重大学, 工学部, 助手 (70242930)
吉村 哲郎 三重大学, 工学部, 教授 (30035472)
|
キーワード | モノクローナル抗体 / 電気パルス融合法 / アビジン / ビオチン / B細胞 / ミエローマ細胞 / ハイブリドーマ / 生体外免疫法 |
研究概要 |
効率的新規モノクローナル抗体作製法(PEF法;pulsed electric field method)の生体外免疫法への応用を検討した。生体内免疫法と比較して生体外免疫法の利点は、(I)通常3〜5日の短期間で免疫化が完了する。(II)1〜10μgと抗原量が少なくてもよい。(III)生体にとって毒性のある抗原も利用できる点にある。生体外免疫法は、これらの利点を持つため、効率的モノクローナル抗体作製において大いなる利用価値が考えられる。抗原としてPEF法の応用面を考慮してウイルスによって発現されるポリヘドリンタンパク質を用いて行った。まず、ポリヘドリンをN-hydroxysuccinimide-ビオチン(NHS-ビオチン)によってビオチン化し、ポリへドリン-ビオチンを得た。尚、作製したポリへドリン-ビオチンは、抗ポリヘドリン抗体および抗ビオチン抗体を用いwestern blotting法によって確認した。次に、予めポリヘドリンによって生体外で免疫されたBALB/cマウスの脾細胞懸濁液にポリへドリン-ビオチンを加え、目的の抗体産生B細胞を選択し、B細胞-ポリへドリン-ビオチン複合体を得た。この複合体にストレプトアビジンを加えB細胞-ポリへドリン-ビオチン-ストレプトアビジンを作製した。一方、ミエローマ細胞は、NHS-ビオチンによってビオチン化を行い、アビジン/ビオチン間の親和力を利用して両細胞を架橋し、B細胞-ポリへドリン-ビオチン-ストレプトアビジン-ビオチン-ミエローマ細胞とした。このB細胞-ミエローマ細胞複合体に2kV/cmおよび3kV/cmのスクエアー波の電気パルスを負荷して両細胞を選択的に融合させ、抗原特異的モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを得た。この作製効率は、従来法のポリエチレングリコール法と比べほぼ1桁高い値を示し、生体外免疫法を用いてもPEF法(新規法)が有効であることを、本研究において初めて示すことができた。また、さらに、生体外免疫法を用いても抗原特異的抗体レセプターがB細胞膜表面に発現されることを、間接的ではあるが明らかにすることができた。
|