研究課題/領域番号 |
08672506
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
冨田 昌弘 三重大学, 工学部, 助教授 (20183494)
|
研究分担者 |
小林 淳 三重大学, 工学部, 助手 (70242930)
吉村 哲郎 三重大学, 工学部, 教授 (30035472)
宮嶌 成壽 三重大学, 工学部, 教授 (80239409)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1998
|
キーワード | モノクローナル抗体 / 電気パルス融合法 / アビジン / ビオチン / B細胞 / ミエローマ細胞 / ハイブリドーマ |
研究概要 |
アビジン/ビオチン架橋を利用した効率的新規モノクローナル抗体作製法(PEF法:Pulsed Electric Field法)の確立および応用を目的とした。まず、初めに、リジン残基およびシステイン残基と特異的に共有結合を形成することができる化学修飾剤であるMBS(m-maleimidobenzoyl N-hydroxysuccinimide)を用い、目的のB細胞選択のための抗原-アビジンの作製を試みた。すなわち、アビジンのリジン残基と抗原のシステイン残基を利用して作製を行った。次に、抗原-アビジンを用い、予め抗原によって感作されたマウスの脾臓細胞から目的の抗原に対する抗体産生B細胞を選び出し、B細胞-抗原-アビジン複合体を得た。さらに、この複合体をビオチン化されたミエローマ細胞とアビジンとビオチン間の強い親和力を利用して結合させ、目的のB細胞-ミエローマ細胞複合体を作製した。両細胞に電気パルスを負荷して選択的に融合させたところ、全ハイブリドーマ中40〜60%の高い効率で目的の抗体産生ハイブリドーマを作製することに成功できた。この作製効率は、従来のポリエチレングリコール法の20〜30倍にあたる。 次に、上記新規法の生体外免疫法への応用を検討した。まず、抗原をNHS-ビオチンによってビオチン化し、抗原-ビオチンを得た。次に、予め抗原によって生体外で免疫された脾細胞懸濁液に抗原-ビオチンを加え、目的の抗体産生B細胞を選択し、B細胞-抗原-ビオチン複合体を得た。この複合体にストレプトアビジンを加えB細胞-抗原-ビオチン-ストレプトアビジンを作製した後、ビオチン化ミエローマ細胞とアビジン/ビオチン間の親和力を利用して両細胞を架橋させ、B細胞-ミエローマ細胞複合体を得た。電気パルスを負荷して両細胞を選択的に融合させ、抗原特異的モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを作製した。この作製効率は、従来法のポリエチレングリコール法と比べほぼ1桁高い値を示し、生体外免疫法を用いても新規法が有効であることを、本研究において初めて示すことができた。
|