研究課題/領域番号 |
08672519
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
佐藤 孝彦 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (50082970)
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研究分担者 |
新川 美紀 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (80237643)
鬼頭 英明 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (90161512)
永瀬 久光 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (40141395)
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キーワード | 抗変異原物質 / Glu-P-1 / 8-ハイドロキシデオキシグアノシン / マンニトール / ジメチルスルホキシド / エタノール / 活性酸素消去剤 / TA98 |
研究概要 |
哺乳動物自体を使用する簡便なる抗変異原物質検出法の確立のため、今年度はDNA中グアニンのオキシ体生成およびその生成抑制について検討した。 1.変異原物質としては、アミノ酸燃焼生成物のひとつであるGlu-P-1を用いた。本物質は生体内に取り込まれた際に、代謝を受けGlu-P-1のOH体を生成し、強い変異原性を発現する。そこで、Glu-P-1よりGlu-P-1のOH体を合成した。得られたOH体分画が強い変異原活性を有すること及びマススペクトルによりこれがGlu-P-1のOH体であることを確認した。2. 1で得られたGlu-P-1のOH体(活性体)とデオキシグアノシンを反応させ、反応溶液中における8-ハイドロキシデオキシグアノシン(8-OHdG)の生成量の経時変化をHPLC-ECDで検討した。8-OHdG生成量は活性体を添加しないコントロールと比較し、明らかに経時的に増加する傾向を示した。3.前述の反応系に、活性酸素消去剤として知られているマンニトール、ジメチルスルホキシド、エタノールを添加し8OHdGの生成量の経時的変化を検討した。いずれも、ポジティブコントロールと比較し抑制作用を示した。これらの物質は、・OHのスカベンジャーとして知られていることから、Glu-P-1-OH体の変異原活性の一部は少なくとも・OHが関与しているものと推察される。4.エ-ムス菌(TA98)を活性体存在下で培養し、8-OHdGの経時変化について検討した。菌中に生成した8-OHdGは時間と共に増加した。さらに、本反応系からの8-OHdG生成はマンニトール添加によりを抑制傾向を示した。5.以上、8-OHdG生成量のモニタリングが抗変異原物質探索に有効であることが確認された。なお、現在培養細胞を用いて同じ実験を行っており、動物実験を準備中である。
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