研究概要 |
ホルモンの細胞内情報伝達因子として重要なCa^<2+>の細胞内作用を制御する蛋白質であるレギュカルチン(RC)は,筆者によって発見・命名されたもので,その遺伝子構造と種々の細胞機能調節における役割について研究されている。本研究はこれまでの知見をふまえ,レギュカルチ,の遺伝子発現とその調節機構について明らかにする目的にし,特に,本年度においては,レギュカルチン遺伝子の転写開始部位上流に結合する因子の同定と転写開始領域の同定を試みた。 1.レギュカルチン遺伝子の転写開始部位上流に結合する因子をゲルシフトアッセイ法により同定した。レギュカルチンDNA断片とラット肝細胞核抽出液との反応により,その結合因子が存在することが明らかになった。また,カルシウムを投与したラット肝の核抽出液を用いた場合には,AP-I蛋白質がレギュカルチン遺伝子5´上流に結合することが同定された。 2.レギュカルチン遺伝子の5´-上流域のDNA断片を用いて,ルシフェラーゼアッセイ法により,レギュカルチン遺伝子のプロモーター領域を同定した。その結果,レギュカルチン遺伝子の転写開始部位が明らかとなった。レギュカルチン遺伝子の転写活性は,インスリン,Ca^<2+>,プロテインキナーゼCの活性化により増大されることが明らかとなった。
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