研究課題/領域番号 |
08672551
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
鈴木 和博 国立医薬品食品衛生研究所, 代謝生化学部, 室長 (10154527)
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研究分担者 |
安達 玲子 国立医薬品食品衛生研究所, 代謝生化学部, 研究員 (10291113)
KASAHARA Tadashi Kyoritsu College of Pharmacy, Dept.of Biochemistry, Professor (60049096)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | 食細胞 / コフィリン / オプソニン化ザイモザン / アクチン結合蛋白 / 脱リン酸化反応 / トランスロケーション / 細胞内pH / 共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡 |
研究概要 |
筆者らは、フォスファターゼ阻害剤のオカダ酸(OA)がオプソニン化ザイモザン(OZ)による食細胞の活性酸素(O_2^-)産生に対して二相性の作用をもつことを見いだしていた。また、リン酸化蛋白の解析から、コフィリン(アクチン・PIP2結合蛋白)が刺激に対する早い脱リン酸化反応を起こすことを見いだしていた。そこで、今回種々の濃度のOAを用いて、コフィリンの細胞内分布変化を検討した。その結果、(1)コフィリンは、刺激しない休止状態の細胞では、細胞質および核領域全体に均一に分布しているが、OZで刺激すると、貪食胞を形成しつつある変形した細胞膜にトランスロケート(移行)し集積した。(2)活性酸素産生促進濃度のOAではOZ刺激によるコフィリンの膜への移行は観察されたが、阻害濃度のOAではコフィリンの膜への移行は強く阻害された。(3)一方、OAのみでは、いずれの濃度でも活性酸素産生は見られず、コフィリンの分布変化も生じなかった。食細胞が活性化されるには、コフィリンが刺激に応じて細胞膜領域へ移行できる状態にあることが必要であると思われた。一方、リン酸化されていないコフィリンは、in vitroで、F-アクチンを脱重合するが、その反応はpH7.3以上では脱重合活性は強いが、pH7.3以下では、脱重合活性は急激に低下する。そこで、食細胞活性化時の細胞内pHの変化とF-アクチンおよびコフィリンの動態を解析した。その結果、コフィリンのF-アクチン脱重合活性を抑えるpHの低下とF-アクチンの増加は一致していた。さらに、静止状態の細胞ではF-アクチンは細胞膜にあり、刺激に伴いその量が増えるが、貪食胞形成後もその分布はほとんど変わらなかった。一方、コフィリンは静止状態では細胞質全体に分散していたが、活性化に伴い貪食胞を形成しつつある細胞膜領域に移行した後、刺激後15分では再び細胞質全体に分散していた。以上の結果、コフィリンは細胞膜領域のF-アクチン形成に深く関与し、その機能を果たした後は再び細胞質に分散すると考えられた。
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