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1996 年度 実績報告書

遺伝子導入可能な膜融合性ポリエチレングリコール修飾リポソームの開発

研究課題

研究課題/領域番号 08672568
研究種目

基盤研究(C)

研究機関帝京大学

研究代表者

丸山 一雄  帝京大学, 薬学部, 助教授 (30130040)

キーワードDDS / リポソーム / 遺伝子治療 / ポリエチレングリコール / 膜融合
研究概要

リポソーム表面にPEGを配位し、その先端に付与したリガンドがレセプターと結合し、リポソームと細胞を密に密着させ、リポソームと細胞間に遊離のPEGを局所に高密度に存在させることによって膜融合を誘起させるというのが目的である。そこで、先端にリガンドと反応可能な反応基を持った両親媒性PEG誘導体を新規に合成した。PEG bis(succinimidyl succinate)にphophatidyl ethanolamine(PE)を反応させ加水分解することにより、N-(3-carboxypropionoyl PEG succingyl)PEを合成し、また、カルボキシル基の代わりにマレイミド基を導入した誘導体も合成した。
これらを6mol%付与したリポソームは、いずれもマウスにおいて血中滞留性を示した。また、balb/cマウスの肺内皮細胞表面を特異的に認識するモノクロナール抗体34Aを付与した場合、高いターゲティング特性が得られた。
金コロイドを封入した34A-PEGイムノリポソームをbalb/cに静注し、肺内皮細胞周辺を電子顕微鏡で観察したところ、このリポソームがエンドサイトーシスで取り込まれる様子が観察できた。興味あることに、リガンドのエンドサイトーシスによる取り込みと異なり、細胞表面にリポソームを包み込むような突起が迫り出し、ライソゾームがその近傍に移動して近寄ってくる様子が観察された。リポソームのような微粒子の取り込みメカニズムが解明できるかもしれない。
34Aと異なり、血管外に位置する固形癌の表面を認識するモノクロナール抗体21B2をPEGの先端に付与した場合、血中滞留性が低下し、肝臓への取り込み量が著しく増加した。そこで、Fcを取り除いたFab'を付与すると、血中滞留性が損なわれず、固形癌への高い移行量を得ることが出来た。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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