研究課題/領域番号 |
08672576
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研究機関 | 国立衛生試験所 |
研究代表者 |
丹野 雅幸 国立衛生試験所, 有機化学部, 主任研究官 (60171914)
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研究分担者 |
宮田 直樹 国立衛生試験所, 有機化学部, 部長 (50114674)
末吉 祥子 国立衛生試験所, 有機化学部, 室長 (80171114)
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キーワード | 一酸化窒素 / スーパーオキシド / 3-モルホリノシドノニミン / ニトロソアミン |
研究概要 |
芳香族N-ニトロソ化合物群は室温で速やかに分解し、その結果、一酸化窒素が遊離することを我々は既に明らかにしている。そこで、一酸化窒素とスーパーオキシドを発生する化合物を3-モルホリノシドノニミンの構造をモデルにし合成した。3-モルホリノシドノニミンは、その開環体であるN-ニトロソ中間体を経て一酸化窒素と相当するアミニジルラジカルに分解し、さらに、このラジカル種が酸素分子に一電子与える結果としてスーパーオキシドを生成すると考えられる。そこで、N-モルホリノ基、N-ピペリジノ基、N-フェニル基を有するN-シアノメチルニトロソアミンおよびそれらのN-シアノ誘導体とN-カルボキシメチル誘導体の計7種の構造と一酸化窒素脱離後に生成するアミニジルラジカルの構造をAM1、PM3法で最適化し、イオン化ポテンシャルを計算した。その結果、モルホリノ環がボ-ト型の場合を除外すれば、N-フェニル-N-カルボキシメチルニトロソアミンが一酸化窒素とスーパーオキシドを発生する化合物として有望であると推定された。なお、本化合物の合成収率は85%以上であり、N-フェニルグリシンを塩酸酸性下で亜硝酸ナトリウムでニトロソ化して得た。また、本化合物の一酸化窒素の発生量はモルホリノ誘導体と同程度で、固体状態で熱的に安定であり、熱的に不安定なモルホリノ誘導体より扱いやすかった。一酸化窒素とスーパーオキシドからはパーオキシナイトライトが生成することが知られており、本化合物は、これらの活性種が共存し、生体に対する影響を調べるための有効な試薬として期待できる。
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