研究課題/領域番号 |
08672583
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松本 政雄 大阪大学, 医学部, 助教授 (50149944)
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研究分担者 |
金森 仁志 福井工業大学, 工学部, 教授 (70027770)
小縣 裕二 大阪大学, 医学部, 助手 (60281127)
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キーワード | CdTe検出器 / CdZnTe検出器 / stripping法 / 診断用X線スペクトル / フォトンスペクトル |
研究概要 |
1 CdTe(CdZnTe)検出器を用いて測定した診断用X線スペクトル 乳房撮影装置のMoとRhターゲットのX線管から約47cmの距離にCdZnTe検出器を設置して、通常の乳ガン診断時の撮影条件である管電圧28kV,50mAsで、MoとRhのフィルタを付加した場合のX線スペクトルを50μmのピンホールコリメータシステムを通して測定し、開発した補正プログラムを使って補正した結果、高純度Ge検出器で測定されたBRHのスペクトルデータとその形状が一致するが確かめられた。また、厚さ0.1mmから1.2mmまでのアルミニウム被写体を入れて測定したスペクトルから計算した減弱曲線と乳房用線量計で測定した減弱曲線を比較した結果、だいたい一致することが分かった。 2 最適撮影条件の解析 軟X線写真の最適撮影条件(管電圧とmAs値)を決める方法として、被写体の減弱曲線とフィルムの特性曲線を、フィルム乳剤に吸収されたX線エネルギーで表し、これらに最小識別コントラストと最適濃度を加えた4つの基礎データから、検出能と撮影時間(撮影能率)をバランスさせて、最適な管電圧とmAs値の組み合わせを決める方法を示した。 胸部X線写真から被写体情報を最大限に引き出すための最適撮影管電圧を決める方法として、心理物理的解析法を提案する。この方法で求めた最適撮影管電圧は、写真を観察する医師や技師の主観に関係しない客観的な値であり、胸部X線写真の最適撮影管電圧の決定に有用であることが分かった。 3 X線写真の画質(MTF、粒状)の解析 希土類増感紙・フィルム系のMTFの管電圧依存性をX線スペクトルを使って検討した結果、空間周波数3mm^<-1>以下のフロント側とバック側のMTFは管電圧とともに減少することが分かった。この現象を説明するためには、増感紙の蛍光体中で発生するKX線だけでなく、コヒーレント散乱とインコヒーレント散乱で発生する散乱X線を考慮する必要があることを示した。 X線写真モトル(粒状)の評価に、従来のウィナースペクトルを心理物理的に補正した心理物理的ウィナースペクトルを用いると、心理的RMS粒状を用いるよりも計算が簡単で、計算時間も短縮でき、評価が簡便になることを示した。
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