研究概要 |
1.研究用ネットワーク基盤の敷設と既存ネットワーク基盤の再構築 前年度に10BASE-Tケーブルで敷設したICUにおける電子カルテのプロトタイプを実施するための電子カルテ用の専用LANを,本年度は医療情報部にある患者基本情報,検査情報,感染情報などのデータベースサーバーである病歴サーバーと接続した.また放射線部および検査部とのコンピュータとも専用線で接続した. 2.他のネットワークとの接続による効用 1)医療情報部病歴サーバーとの接続:マイクロソフトアクセスベーシックで開発した検査処方閲覧ソフトを利用して,医療情報部にある病歴サーバーを中央診療部門であるICUで利用できるようにした. 2)検査部,輸血部コンピュータとの接続:また検査部のコンピュータに接続し,緊急検査室の検査技師がパスワードを入力することにより,ICUのコンピュータ室にあるカルテサーバーにアクセス可能にし,ICUに入室している患者のカルテが閲覧できる環境にし,検査および輸血を受ける人の病態が把握できるように努力した. 3)放射線部コンピュータとの接続:放射線部のファイルメーカープロに蓄積されているCT,MRの画像データベースに患者ID番号で電子カルテ端末よりアクセスを可能とし,その所見の閲覧やカルテへの引用を可能とした. 4)各診療科,手術室との接続:山口大学総合治療センターでは金曜日に翌週の予定入室患者の申し込み書が従来出ていたが,形式が非常に類似し,大手術の場合は手術申し込み書および総合治療センター入室申し込み書を両方別々に書く必要があった.そこで二つの申し込み書をマイクロソフトアクセスで一括管理し,事務作業の軽減をはかった.つまり病棟,医局,手術室や総合治療センターにある病歴ネットワーククライアントから,病歴サーバーにアクセスしマイクロソフトアクセスの申し込み書テンプレートに書き込むことで申し込みが完了できるようにした. 3.電子カルテソフトの充実 1)疾患別テンプレートの作成:MachintoshおよびWINDOWS95用共通ワープロソフトであるマイクロソフトワードで既存のコンピュータで電子カルテの一般業務を従来通り行った.これによりワープロで実際にカルテを作製しつつ,患者基本情報,必要テキスト情報をどのような入力形態にするかの検討,疾患別テンプレートを作成した. 2)入力方式の検討:マイクロソフトワードの入力支援機能を利用し,治療内容,検査内容,検査内容などのテンプレートを作成し電子カルテへの入力を簡素化した. 3)メニュー形式:電子カルテに必要な機能をメニュー形式で選べ実行できるようにするWINDOWS用開発ソフトを当初Delphiで電子カルテソフトを開発中であったが,マイクロソフトアクセス,オフィスとの連携を容易にするためにVisual Basicで作成した.
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