研究課題/領域番号 |
08672587
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
橋本 恵美子 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (30249627)
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研究分担者 |
正野 逸子 産業医科大学, 産業保健学部, 助教授 (80280254)
沖 壽子 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (50274585)
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キーワード | 在宅 / 末期医療 / ケアの評価 / 訪問看護 / 介護 |
研究概要 |
本研究は、在宅で末期医療を受ける患者へのケアについて、ケアを受ける側と提供する側の両者を対象に医療・看護・福祉の三つの側面から評価するものである。平成9年度は、患者の家族、訪問看護婦、保健婦、ヘルパーに対して調査を実施した。今回は、死亡した患者の家族33名を対象とした調査(質問紙法・面接)結果を中心に報告する。 医師、医療機関の看護婦、保健婦、訪問看護婦、ヘルパーによる患者へのケアに対する評価は、概ね良かった。同様に、家族へのケアについても、自分たちの生活を大事にしてもらったと感じていた者が多かった。 1)医師によるケア:(1)緊急時の連絡方法を知っていた家族では、介護上に安心感があり介護を継続できたと答えた者が多かった。(2)複数の医師のかかわりがある場合には、看護側からの介入が必要である。2)医療機関の看護婦によるケア:ケアを受けたと答えた者は少数だったので、看護婦側からの調査結果との検討が必要である。3)保健婦によるケア:受けたケアの具体的な内容を回答した者が少ないため、保健婦側からの調査結果と比較検討する必要がある。4)訪問看護婦によるケア:(1)患者に対するケアの効果:清潔の保持・医療的処置・心理的側面に見られた。(2)家族に対する効果:心理的安定、介護力・介護知識の向上、介護による身体的負担の軽減等であった。(3)訪問時間帯・時間量:患者の病状に応じた柔軟な対応を望んでいた。5)ヘルパーによるケア:ケア内容・時間帯・時間量:利用者の状況に応じ、融通性のある内容でかつ柔軟な対応を望んでいた。6)家族によるケア:患者の心理面の安定を図り、日常生活の充実と選択権の行使の面で良い影響を及ぼしていた。7)福祉サービスの導入:日常生活用具の給付までに時間がかかり介護上に支障をきたしていた家族も多かったが、必要なサービスを予測した訪問看護婦の介入によりタイムリ-に提供できていた場合もあった。
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