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1996 年度 実績報告書

ファージディスプレイシステムによるヒト型リコンビナント抗体の作製とその臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 08672601
研究種目

基盤研究(C)

研究機関秋田大学

研究代表者

伊藤 邦彦  秋田大学, 医学部, 助教授 (90221770)

研究分担者 水柿 道直  東北大学, 医学部, 教授 (60004595)
鈴木 敏夫  秋田大学, 医学部, 教授 (20108559)
キーワードファージディスプレイシステム / ヒト型抗体 / コンビナトリアルライブラリー
研究概要

ヒト型抗体は人体に直接投与可能であり、感染症をはじめとする各種疾患の治療にきわめて有用である。我々は、これまで行われてきたヘテロハイブリドーマ法やEBウイルスによるB細胞の不死化法などに代わる新たな方法として、ファージディスプレイシステムを用いたヒト型リコンビナント抗体作製系の確立とその臨床応用を計画した。今年度は、小児下痢症の原因ウイルスであるロタウイルスを標的としてヒト型抗体作製系の構築を行ったので以下に報告する。
出発材料として、ロタウイルスに対して高い抗体価を有する健常人(AO)より採取した末梢血リンパ球RNAを用いた。RT-PCR法により抗体遺伝子を増幅後、ファージディスプレイベクターpComb3に挿入し、IgG1κ(AOK)及びIgG1λ(AOL)ライブラリーを構築した。次に得られた抗体(Fab)提示型ファージライブラリーに対してロタウイルスを抗原としたパニングを行った。5ラウンドのパニングにより、特異抗体を発現するファージは約30倍に濃縮された。最終ラウンドのパニングで得られたファージミドDNAを可溶性Fab発現型に変換した後大腸菌に導入し、カ-ベニシリンプレートにプレーティングした。プレート上に形成されたシングルコロニー50個/ライブラリーを培養し、クローンの産生する可溶性Fabのロタウイルスに対する反応性をサンドイッチELISA法により検討したところ、AOKライブラリーより10個、AOLライブラリーより6個の陽性クローンが得られた。これらのクローンの異動をBstNIフィンガープリンティングにより確認し、最終的にAOKライブラリーより3個、AOLライブラリーより2個のクローンを得ることに成功した。選択された可溶性Fabの対応抗原及び自己あるいは非自己抗原に対する反応性をELISA法により検討した結果、ロタウイルスに対してのみ反応性を示したことから、得られたFabが高い特異性を有することが明らかとなった。以上より、ファージディスプレイシステムを用いることにより、従来法に比較してより簡便に高い特異性を有するヒト型抗体の作製が可能であることが示された。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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