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1997 年度 実績報告書

ファージディスプレイシステムによるヒト型リコンビナント抗体の作製とその臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 08672601
研究機関秋田大学

研究代表者

伊藤 邦彦  秋田大学, 医学部, 助教授 (90221770)

研究分担者 水柿 道直  東北大学, 医学部, 教授 (60004595)
鈴木 敏夫  秋田大学, 医学部, 教授 (20108559)
キーワードファージディスプレイ / ヒト型抗体 / コンビナトリアルライブラリー / ロタウイルス
研究概要

昨年度は、ファージディスプレイシステムを用いたヒト型リコンビナント抗体作製系の確立とその臨床応用を目的として、小児下痢症の原因ウイルスであるロタウイルスに対するヒト型モノクローナル抗体の作製を行い、ロタウイルスと選択的に反応するFabクローンを得たことを報告した。今年度は、得られたクローンについて詳細な解析を行ったので以下に報告する。
1)すべてのFabクローンは、ロタウイルスWa株と濃度依存的に反応し、また、自己あるいは非自己抗原に対して交差反応性を示さず、ロタウイルス特異的であることが明らかとなった。2)FabクローンのH鎖およびL鎖可変部のヌクレオチド配列を決定した。抗体データベースに報告されているシークエンスとの相同姓を解析した結果、、同一ライブラリーから得られたクローンは、単一のジャームラインに由来するH鎖配列を有し、ONライブラリーより得られたクローンは、VH4ファミリーに属し、AOライブラリーより得られたクローンは、VH3ファミリーに属することが明らかとなった。それに対して、L鎖のシークエンスにおいては多様性が認められた。3)各種ロタウイルス株(Wa,AU-1,AU64,RPV)との反応性について検討した結果、ONライブラリーより得られたクローンは、すべての株に対して同程度の反応性を示したのに対して、AOライブラリーより得られたクローンは、Waに対して選択性を示した。4)これらのクローンの認識する抗原分子を、イムノブロット法により解析した結果、ロタウイルス内殻の構成タンパク質であるVP6を認識していることが明らかとなった。しかしながら、2)および3)の結果を考えあわせれば、両ライブラリーより得られたFabクローンは、VP6の異なるエピトープを認識しているものと考えられた。これらのFabクローンは、各種生体試料中からのロタウイルスの検出あるいは同定などの臨床検査分野への応用が可能であることが明らかとなった。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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