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1996 年度 実績報告書

ニトロ化合物による血管弛緩効果ならびに耐性発現に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08672619
研究機関琉球大学

研究代表者

松崎 俊博  琉球大学, 医学部, 助手 (50244330)

研究分担者 坂梨 又郎  琉球大学, 医学部, 教授 (80040252)
安仁屋 洋子  琉球大学, 医学部, 教授 (90045055)
キーワードNO / 耐性 / グルタチオン / グルタチオンS-トランスフェラーゼ / ニトログリセリン / ニトロプルシッド / イソソルビド / cyclic GMP
研究概要

1.ニトログリセリンおよびイソソルビド2ナトリウムは耐性を生じた。ニトロプルシッドナトリウム、ニプラジロールでは、軽度の耐性が生じた。しかし、亜硝酸ナトリウムおよびニコランジルでは耐性は認められなかった。
2.冠動脈平滑筋細胞内のグルタチオン量およびグルタチオンS-トランスフェラーゼ活性は、耐性を生じた血管平滑筋細胞と対照の血管平滑筋細胞で、差は見られなかった。また、グルタチオン量を減少させた血管平滑筋においてニトロ化合物の欠陥弛緩作用に変化は見られなかった。グルタチオンS-トランスフェラーゼ活性を低下させた場合には、ニトロ化合物の血管弛緩作用は明らかに低下したが、NO産生量は変化しなった。NO産生量は、ニトログリセリンが最も多く、ついでイソソルビド2ナトリウムがニトログリセリンの約半分、続いて、それよりさらに少ないニプラジロールとニコランジルの順番であった。
グアニレート・シクラーゼ活性は、その抑制剤とされるメチレンブルーを使用して検討した。メチレンブルーは、ニトログリセリンおよびイソソルビド2ナトリウム、ニコランジル、ニプラジロールでは血管の弛緩反応を抑制したが、ニトロプルシッドナトリウムおよび亜硝酸ナトリウムでは抑制しなかった。また、cyclic GMP量は、ニトログリセリンを作用させた場合約10倍に増加した。
以上より、亜硝酸エステル構造を持つニトログリセリンおよびイソソルビド2ナトリウム、ニプラジロールでは、耐性を生じ、メチレンブルーで弛緩が抑制されたが、ニコランジルでは耐性は見られなかった。直接NOを発生させるとドナナトリウムでは高濃度作用時に耐性を生じた。耐性発現と血管弛緩作用に血管平滑筋細胞内のグルタチオン量は、関係しないことが明らかとなった。また、グルタチオンS-トランスフェラーゼ活性は、NO産生には直接には関与していない可能性があるが、血管弛緩作用の一部に関与している可能性が示唆された。cyclic GMPに関しては、今後さらに検討していく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yoko Aniya et al.: "Invol vement of enzymatic formation of nitric oxide from nitrates in pig coronary arteries." Japanese Journal of Pharmacology. 71・2. 101-107 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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