研究概要 |
平成8年度ではビタミンB_1欠乏食でラットを飼育すると飼育28日目でそのラットが記憶保持障害が誘発され、その時、脳内ソマトスタチン濃度がhippocampus,hypothalamus,thalamus,amygdalaおよびcortexで減少することを認めた。本年度はビタミンB_1欠乏誘発性記憶保持障害をさらに詳細に検討する目的で以下の研究を試みた。 ビタミンB_1欠乏食飼育後、14日目あるいは21日目に塩酸チアミンを投与した結果、14日目ではその後、記憶保持障害がみられなかったが、21日目では記憶保持障害が観察された。また、脳内ソマトスタチンの濃度分布は14日目で障害がみられなかった場合、pair-fed control群と類似したその濃度分布を示したが、21日目で障害がみられたラットではそのcontrol群と比較してソマトスタチン濃度は低下していた。このように、ビタミンB_1欠乏によって誘発された記憶保持障害は脳内ソマトスタチン濃度の低下に基因し、さらに、記憶保持に密接に関与する海馬のCA1,CA2,CA3およびDental gyrus(DG)のうち、CA1,CA2およびDGのソマトスタチン濃度の低下が顕著であった。
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