研究課題/領域番号 |
08672624
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
安原 一 昭和大学, 医学部, 教授 (70053999)
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研究分担者 |
倉田 知光 昭和大学, 医学部, 講師 (80231299)
内田 英二 昭和大学, 医学部, 助教授 (80175223)
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キーワード | Pharmacogenetics / Human Liver / Cytochrome P450 / Trimethadione / Chlorzoxazone / CYP2E1 / CYP2C19 / Ethics |
研究概要 |
平成8年度本研究助成金を基に、本研究では、初めにヒト肝臓を試料として用いる際の倫理性および科学性を考慮し、その使用に関して昭和大学倫理委員会の審査、承認を得た。 得られた肝臓より調整したミクロソーム画分およびヒトリンパ芽球に発現させた各種Cytochrome P450(P450)を酵素源としてin vitro実験系でこれまで肝薬物代謝能評価の指標薬物として用いられてきたTrimethadione(TMO)代謝に関与するP450分子種の検索を試みた。その結果、TMOはヒト肝microsomeでは、P450分子種(CYP)のうちCYP2E1で主に代謝されることが明かとなった。また、ヒトリンパ芽球に発現させた種々CYP分子種を用いた検討および、各種P450阻害剤、気質等を用いた検討より、その活性はおもにCYP2E1に認められた。更にCYP2E1の代表的な気質として汎用されているクロルゾキサゾン代謝とTMO代謝の相関性に関して検討した結果、相関係数r=0.734の有意な相関が示された。これらの結果より、TMOはヒト肝臓において主にCYP2E1で代謝され、CYP2E1の有用な指標薬物となりうる可能性が示された。さらに、日本人で酵素欠損者が約20%存在する事が示唆されているP450分子種であるCYP2C19欠損者検索を、従来の薬物動態学的パラメータの算出により評価する方法に比べより侵襲の少ない遺伝子型の判定を指標としたRFLP-PCR法により、少数例被験者を対象に遺伝子型と表現型との関連性について検討した。その結果、遺伝子型がmutant Homoの場合には表現型が酵素欠損と判定しうる可能性が明かとなったが、Hetero接合体では一貫した明らかな判定は今回行った少数例では困難であり、その詳細に関しては現在検討中である。
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