研究課題/領域番号 |
08672636
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
尾崎 由基男 山梨医科大学, 医学部, 教授 (30134539)
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研究分担者 |
佐藤 金夫 山梨医科大学, 医学部, 教務職員 (20242662)
矢冨 裕 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (60200523)
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キーワード | 燐酸化ミオシン / 血小板凝集 / 散乱光 / 糖尿病 |
研究概要 |
我々は最近開発した散乱光を用いた血小板凝集計を用いて、血管病変を伴う糖尿病症例では、刺激剤なしで凝集が起きるいわゆる自然凝集が高率に起きることを発見した。このことは、生体内ですでに血小板が活性化を起こしていることを示唆するものであり、糖尿病における動脈硬化、血栓症の発生に重要な因子と思われる。血小板凝集には、骨格蛋白の再構築が重要であり、自然凝集を起こす血小板では骨格蛋白にすでに変化が起きている可能性がある。そこで我々は、刺激後早期に変化が起きるとされているミオシンの活性化状態を判定することにした。ミオシンはミオシン軽鎖ナーゼによりリン酸化され、活性化状態になる。一般のリン酸ラベル等では、その変化を判定することが困難なため、ミオシンのリン酸化を認識する単クローン抗体を開発し、定量系を開発した。すなわち、トータルのミオシンを認職する抗体及び標準物質を作成し、また同様にリン酸化されたミオシンのみを認識する抗体、及び標準品を準備した。この系にて、患者血小板中のミオシンのどの程度がリン酸化されているのかを定量できるようになった。これにより、糖尿病患者の血小板中のミオシンが、健常人よりも有意にリン酸化されており、またその程度は自然凝集の程度と有意な相関があることを確認した。
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