発現ベクターへ、クローニングする予定であった、ヒト血清コリンエステラーゼ(ChE)cDNAは、Dr Oksana Lockridgeの好意により、ヒト正常ChEを含むpRc/CMVベクターDNAとして提供を受けた。従ってこの組み換えDNAを大腸菌に導入し、組換え体を確立した。次いで、プラスミドDNAを調製した。ChEの発現には、Human fetal kidney cells(293;American Culture Collection CRL 1573)を用いた。なぜなら293はそれ自身では、ChE活性は示さないからである。調整したプラスミドDNAをリン酸カルシウム法にてトランスフェクションしGENETICIN(Antibiotic G418)を培養液に添加し、セレクションした。発現ChE活性の測定時は、血清無添加培養液(SFRE199-2)を用いた。本発現ベクターをTransfectionした培養液中にのみ、ヒト正常血清の約1/2のChE活性が観察された。 次いで、1.3301(nucleotide no 1201 T--)A)変異体を作成した。L3301変異導入用プライマーにはChEcDNAに認識部位のないSacI認識配列を作り、かつnucleotide no 1201はTにしたものをデザインした。また、pRc/CMVベクターのHindIIIサイトとApaIサイトを含むプライマーをデザインし、前後に分けてPCR増幅した後、それぞれの制限酵素処理し、さらに3者をligetion、transformationした。白色コロニーの中から、8種のプラスミドDNAを調整し、アガロース電気泳動により、その長さを検討し、BglI、SacI消化後のアガロース電気泳動により、その1種にL330変異を持つChEを含むpRc/CMVベクターのインサートを認識した。さらに塩素配列決定により再確認を試みている。
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