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1996 年度 実績報告書

C型肝炎ウイルス感染に伴う低温補体活性化とクリオグロブリン形成の機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 08672653
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大阪医科大学

研究代表者

清水 章  大阪医科大学, 医学部, 教授 (00028581)

研究分担者 中西 豊文  大阪医科大学, 医学部, 講師 (10247843)
中川 俊正  大阪医科大学, 医学部, 助教授 (30237226)
キーワードC型肝炎 / 補体寒冷活性化 / クリオグロブリン / リウマチ因子 / コールドアクチベーション / HCV / 質量分析 / トランスサイレチン
研究概要

血液を採血後低温に放置するとCH50が著しく低下する現象をcold activation(CA)と呼ぶ。CA陽性検体は数パーセントの例外を除いてHCV抗体が陽性である事を我々が見出し報告した(1993)。一方クリオグロブリンもHCV感染との関連が強い。これら低温依存性HCV感染血清特異現象は、ウイルスがB細胞に感染し、異常増殖したクローンがリウマトイド因子(RF)を産生し、そのRFが低温でやっと反応する弱い親和性を持つと考えれば説明がつく。この仮説を証明することが本研究の目的である。1)非ホジキンーリンパ腫ではHCV抗体陽性率は30%に及ぶ(臨床病理学会1996、Nov.)2)HCV感染者のB細胞表面抗原を分析したところ、B細胞数の増加が見られ、CD23陽性細胞の比率が増加していた。CA陽性、RF陽性の患者に特にその傾向が見られた。(臨床病理学会近畿地方会、1997、June)3)新鮮血清ではRFが陰性であるのに、低温に血清を放置するとRFが陽性になる症例を偶然見いだした。この血清はHCV抗体とCAが陽性であった。多数例についてこの様なRFの存在を調べたところ、HCV陽性でCAが陽性の血清に限って認められた。すなわち低温で補体価が低下した時にRFが陽性となるらしい。これを確認するために、補体の補充としてモルモット血清を加えると、いったん低温で上昇したRFが新鮮血清と同じ値に低下する事を確認した。(Ann.Clin.Biochem.1996).4)このような弱い親和性のRFのV領域アミノ酸配列がHCV感染患者に特異的であるのかどうかを決めることが重要である。これを質量分析により明らかにする基礎技術を確立した。ヘモグロビン、トランスサイレチン、スーパーオキシドジスムターゼをモデル材料とし、血中蛋白質の不均一構造を明らかにするための高感度高精度分析法を確立した(第14回国際質量分析カンファレンス、フィンランド、タンペア1997,Aug.発表予定).RFのV領域アミノ酸配列の研究を次年度以降の課題とする。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Kazuhito Ueda,et al: "The association between hepatitis C virus infection and in vitro activation of the complement system." Annals of Clinical Biochemistry. 30. 565-569 (1993)

  • [文献書誌] Kazuhito Ueda,et al: "The association of complement activation at a low temperature with hepatitis C virus infection in comparison with cryoglobulin." Clinical and Experimental Immunology. 101. 284-287 (1995)

  • [文献書誌] Kazuhito Ueda,et al: "Rheumatoid factor in the serum of hepatitis C virus-infected patients : an increase in the titer during cold storage." Annals of Clinical Biochemistry. 33. 438-442 (1996)

  • [文献書誌] Toyofumi Nakanishi,et al: "Electrospray ionization-tandem mass spectrometry analysis of peptides derived by enzymatic digestion of oxidized globin subunits : an improved method to determine…" Journal of The American Society for Mass Spectrometry. 7. 1040-1049 (1996)

  • [文献書誌] Ayako Miyazaki,et al: "Post-translational modification from methionine to aspartic acid residue on a variant hemoglobin,Hb Bristol,a proof by ESI-MS-MS." Journal of Mass Spectrometry. 31. 1311-1313 (1996)

  • [文献書誌] 清水章: "HCV感染と低温補体活性化の関連" 医学のあゆみ. 180(8). 535-537 (1997)

  • [文献書誌] Kazuhito Ueda,et al: "Quality Control in the Clinical Laboratory '95" Excerpta Medica,Ltd. Tokyo, 501 (1995)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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