研究概要 |
超高感度酵素免疫測定法を用いたAChR自己抗体測定の予後予測法および発症予知法としての有用性を検討し下記の成績を得た. 1 予後予測法としての有用性を検討するため,胸腺摘出前後の抗体価の推移をα(61-90)およびα(185-210)を抗原とした超高感度酵素免疫測定法(免疫複合体転移酵素免疫測定法)により解析した.その結果.全身型症例では感度64%,特異性90%の予後予測が可能となった. 2 全身型症例のクラスII-HLAを調べた.その結果DQBl*0303のホモザイゴ-ト,0302-*0303,および*05031がα(61-90)に対する抗体価と連動していた. 3 1の方法で眼筋型症例の胸腺摘出前後の抗体価の推移を解析した.しかし,全身型症例のような有意な結果は得られなかった. 4 眼筋型症例のクラスII-HLAを調べた結果,DQBl*03型が予後に関わっていることが示された. 5 眼筋型症例のクラスI-HLAを調べた結果.HLA-Bが予後に関わっていることが示された. 以上の結果から,全身型では,病勢の維持.増悪化にAChR自己抗体が関与しその産生はHLA-DQと連動していることが示された.一方,眼筋型では.それらには自己抗体は関与せず,むしろ細胞傷害性T細胞が関与していることがクラスI-HLAのタイピング結果から示唆された.
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