肥満児童の健康問題の改善に有効な教育的介入の方法を見いだすことを目的に、平成8年9〜10月にかけて茨城、京都、熊本の7つの小学校の3〜6年生を対象に、食・生活習慣、健康度、不定愁訴、および過去2年間の体格指数の調査と科学研究費により購入した体脂肪測定器により体脂肪の測定を行った。現在全児童のデータを科学研究費により購入したコンピュータに入力を終え、肥満児童を抽出し(1)地域差、発達差、性差、(2)肥満児童個々人の身体的変化、(3)体格指数と体脂肪との関係(4)肥満・非肥満児童の食・生活習慣、健康度、不定愁訴等の特徴についての解析を開始している。 現在までに明らかになった結果、 (1)の地域差については都会の子どもより地方の子どもに肥満が多くみられている。これは地域差というよりもむしろ家族構造の相違によるものではないかと考える。これについては今後も継続して調査を行う。 (2)、(4)は現在解析中である。 (3)体格指数との関連から体脂肪測定器の肥満判定基準の問題点が明らかとなった。 今後の研究課題、および方向、 (1)〜(4)の結果を全て解析した後、その成果を活用し、介入の対象児童を抽出し、教育的介入を強く要望している茨城、熊本の小学校の養護教諭や学級担任と協議し共に介入を行う予定である。
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