1、 平成9年度に行った教育的介入の成果をThird International Nursing Reseach Conferenceと第45回小児保健学会に報告した。 2、 肥満が最も増加する夏休みの7週間の間にチェックリストを用いて教育的介入を行った結果、体脂肪を減少させた子ども、あるいは体脂肪を増加させなかった子どもは九州の4校に多く、体脂肪を増加させた子ども、またはチェックリストを最後までやり通すことのできなかった子どもは茨城県の小学校に多くみられた。そこで、茨城県の小学校については再度体脂肪率の測定と親と子ども、および教師に対して健康な体を作るための学習会を行い、教育的介入を実施した。 熊本県の4校については追跡調査を行った結果、リバウンド現象を示している子どもは少なく養護教諭の定期的な指導で良好な状態を維持していた。したがって、熊本の小学校については4校の養護教諭との学習会だけを継続した。 3、 目的のひとつであるより正確な肥満児童の判定方法については、現在も検討中であるが、肥満度については20%以上、Kaup指数については22以上、Rohrer指数については身長の影響を受けやすいことから、身長別の評価基準を設け110〜129cmまでは170以上、130〜149cmまでは165以上、150cm以上は160以上を肥満とし、体脂肪率は現在の基準では男子20%以上、女子25%以上が肥満とされている。しかし、男子の場合20%以上を肥満とすると約半数の子どもが肥満となる。したがって、男子も女子と同様に25%以上を肥満と判定する方が妥当であると考える。
|