研究概要 |
昨年は家庭で養育されている乳児40名について、一日あたりの食塩摂取量の測定と保健指導を、生後6ヵ月,8ヵ月、11ヵ月と追跡したが、本年はそれ以降15ヵ月、18ヵ月、一部については24ヵ月まで追跡できた。また、コントロール群として、同地域で行なわれた乳幼児健診受診者の中から無作為に抽出し、指導群と同様に一日あたりの食塩摂取量の測定を実施した。その結果、指導群では6ヵ月:0.19±0.4g、8ヵ月:0.48±0.3g、11ヵ月:1.41±1.1g、15ヵ月:1.93±8.5g、18ヵ月:2.92±1.6g、24ヵ月:5.4±2.8gであり、コントロール群では、6ヵ月:0.6±0.4g、8ヵ月:1.4±0.8g、11ヵ月:2.3±1.0g、18ヵ月:2.69±0.59g、24ヵ月:2.36±1.04gであった。離乳初期から完了期に至る離乳食では指導群がコントロール群に比較して低値を示したが、幼児食になるとその差はなくなり24ヵ月に至っては指導群がかなり高い値を示し、指導のマンネリ化とも考えられ、指導を検討しなければ効果が継続しないことが推測された。 さらに、昨年度実施した保育所給食の塩分量と調理者の意識との関連を分析したが、調理者の意識は直接その塩分量には影響していなかった。調理者の味付けに関する意識はかなりばらつきが認められ、給食の塩分指標を示す必要性が示唆された。また、給食中の塩分とショ糖含有量との関連を、幼児食に限って検討したところ、有意に正の相関関係(R=0.46,P=0.0235)が認められ、ショ糖の使用が塩分使用を高めることにつながることが推測された。
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