研究概要 |
研究目的:臨床における看護婦の診断能力の発達過程を明らかにするための基礎的データを得る。 研究方法と結果: 新人看護婦と熟練看護婦の「診断手かがり」への注目度の相違をみるために構成した3尺度事例を用いてThink Aloud(TA)を実施した。 1)予備テスト:被検者2名(10年以上の臨床経験を有する熟練看護婦1名、臨床経験3年未満の新人看護婦1名)にTAを実施して(平成9年9月)実施手順を確認するとともに、本テストでの回答傾向を知るための手がかりを得た。 2)本テスト:被検者11名(近畿地方と四国地方の2国立総合病院に勤務する10年以上の臨床経験を有する熟練看護婦6名と、中国地方の国立総合病院に勤務する臨床経験3年未満の新人看護婦5名)に、それぞれ3尺度事例を用いて、合計33回のTAを実施し、テープレコーダに集録した(平成9年10月-11月)。 3)データの解析:テープレコーダに集録したTAの内容を逐語的に転記し、CorcoranのProtoco1分析枠組みを用いて、被検者のLine-of-Reasoning(LOR)の6構成要素(Trig-gering cues,Domain concept,Intermediate conclusion,Intermediate action,Conclusion,Argument)を3尺度事例別に抽出した。 4)結果:新人看護婦と熟練看護婦間でLORの6構成要素数について統計的に有意差が認められるかどうかを解析中。
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