研究概要 |
1. 平成9年に実施した全国25の、平成8年8月現在厚生省承認緩和ケア病棟の看護婦調査(平成9年緩和看護婦調査)の自由記載回答から、本年は緩和ケア病棟における看護婦の喜び感、困難感と燃え尽き症候群との関係を解析した.結果を下記の通り発表した. .黒瀬佳代子、檜垣由佳子、宮路亜希子、植田喜久子、鈴木正子:緩和ケア病棟に勤務する看護婦(士)が陥る“燃え尽き"の構造、第29回日本看護学会抄録集、p64,1998年7月10日.日本看護学会誌第8巻掲載予定平成9年3月現在印刷校正中. 1) 燃え尽き群の比率は全対象の11.4%であり、一般看護婦(士)に比し燃え尽き率は低かった。燃え尽き群の特徴は、個人的達成感が低く、情緒的消耗監督点および脱人格化得点が高いことと関連があった。 2) 年齢が若く、経験年数が短く、精神的に支える上司がいないこと、そして勤務病棟の病床数が多い点と関連があった。 3) 燃え尽き群はセルフモニタリング得点が低く、対人関係調整能力と関連があった。 2. 鈴木正子:「『別れ』を別れゆく仕事」へのケアー看護者の立場から、日本臨床死生学会Vol.3,No.1,1998年. .緩和ケア病棟の看護婦(士)の喜び感困惑感から導き出した緩和ケアのあるべき姿を論じた。 3. 鈴木正子、川上伊勢子、植田喜久子:緩和ケア病棟における看護婦(士)と医師との協動、第4回日本緩和医療学会、第12回サイコオンコロジー学会合同大会、1999年6月3、4、5日(発表予定). .緩和ケア病棟の看護婦は、3つの姿で医師との協働を求めていた。 1)患者に向かう協働性、2)協働する者同士としての役割期待、3)患者、家族、医療者が創造的に機能する協働性.この3つはいづれも喜び感、困惑感とパラレルな構造にあると思われた.
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