研究課題/領域番号 |
08672687
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 長野県看護大学 |
研究代表者 |
池田 紀子 長野県看護大学, 看護学部, 助教授 (70281251)
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研究分担者 |
久木田 泰江 長野県看護大学, 看護学部, 助手
小澤 道子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (40297065)
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キーワード | たのしみ経験 / 生涯発達 / あそび / 精神的健康 / たのしみの質 |
研究概要 |
生涯発達的視点から、人にとってのたのしみの意義とその発達を明らかにすることを目的とし、とくに楽しみの質について検討した。 1)たのしみ経験とはなにか。楽しみ経験とは人が幼児期から現在までを通して「楽しかった」と想起される経験をさす。これらはその人にとって意味があり、内的リアリティがある具体的な事象や出来事であり、人の想像力、創造性、自発性を伴い喜びや満足を与えてくれるもので、心理社会的側面を含む健康に関与すると考えられ、人の健康問題を考えるうえで、一つの大きなキ-概念となるであろうと予測している。 2)たのしみ経験内容の分類:たのしみ経験は大きく4つに分類された。分類1は共有する相手により[家族-友人-その他-一人]、分類2は特性(年齢、年代)により[たて-よこ-ななめ]、分類3は場により[公的-準公的-私的]、分類4は内容の質の面から[活動-心情-その他(感覚・コミュニケーション)]である。 3)上記の分類法を用い、青年期から老年期までのたのしみ経験内容を分類し、この方法がたのしみ経験内容を明らかにするうえで有効であることを示した。 4)企業従業員男女238名を対象とし、労働・働くことと楽しみ経験との関連について検討した。職場におけるたのしみ経験は1)仕事や働くことそのもの、2)行事や生活、3)職場でのスポーツやサークル活動に分類され、「働くこと」「職場での生活」がたのしみとなることが、健康的な生き方につながることが示唆された。 青年期、中年期、老年期の3世代を対象とし、子ども時代の楽しみ経験と家族との関連について検討した。その結果若い世代では、きょうだいやその友達との楽しみが減少すること、また家族の中での「楽しみを共有する」機能の変化が注目された。
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