研究課題/領域番号 |
08672696
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
稲吉 光子 北里大学, 看護学部, 助教授 (60203212)
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研究分担者 |
川口 優子 神戸大学, 医学部・保健学科, 助教授 (90152941)
遠藤 恵美子 北里大学, 看護学部, 教授 (50185154)
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キーワード | 質的研究 / 行為研究の妥当性 / インフォームド・コンセント / がん看護 / 臨床試験 / 共同意思決定 |
研究概要 |
質的研究(qualitative research)の文献検討から、行為科学をがん看護実践に応用するために、妥当性の検討と今後の研究テーマの精選を行った。行為研究での妥当性とは、一般化された法則性ではなく、状況にあわせた言語的な解釈であると考えられる。妥当性の検討は、これまで民族学的研究方法に依存してきた。しかし、行為研究では、現実を言葉で描くという避けられない問題が妥当性を示す困難さになる。Waterman(1998)は行為研究に関する妥当性について、弁証的・批判的・内省的の3つに分類して、検討する方法を示した。 Morse(1991)は、質的研究方法の妥当性を示す「質的一量的方法に関する三角法」 (qualitative-quantitative methodological triangulation)を示した。これは、常に質的および量的方法の両方を用いることである。ただ1つの方法が不適切である時、三角法は包括的なアプローチとして有効である。今後の行為研究には、Watermanによる方法か、またはMorseの質的一量的方法に関する三角法を用いるつもりである。 行為科学を適用できるテーマとして、がん患者が臨床試験へ積極的に参加し、さらに、安全な経過をたどるために、がん看護スペシャリストとの共同意思決定に焦点を絞った。1997年に改正された「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(新GCP)」第35条には治験実施医療機関の満たすべき要件として、看護婦もその必要な職員として位置づけられた。法的にも整備されてきており、インフォームド・コンセントの視点から、臨床試験での看護職者の役割開発をしていく予定である。
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