平成7年に作成した看護婦の安全態度を測定するための「安全態度スケール」の信頼性・妥当性を検討するために、テスト作成の専門家から助言をいただき一部修正のうえ、250名の看護婦を対象とした再調査を実施した。現在は、そのデータ解析を行っており、さらにはスケールの標準化を図りたいと考えている。このスケールは、安全教育の効果測定の目的で作成したが、将来的には被検者個人にこの結果をフィードバックし、安全態度の育成に役立てたいと考えている。 一方、新人看護婦に対する安全教育の現状を把握するために、国内外の文献検索ならびに任意に抽出した11の基幹病院看護部に対するヒアリングを実施した。文献検索からは新人看護婦の安全教育プログラムに焦点を当てたものは1件のみ抽出されたが、教育効果の測定が十分に実施されていなかった。看護職員の安全教室に触れた文献は大変少ない状況にあった。看護部に対するヒアリングの結果では、ほとんどの病院で安全教育を実施してはいるが、積極的に独自の安全教育プログラムを持って安全教育に熱心に取り組んでいると評価できるのは1施設のみであった。 現在は、院内における新人看護婦を対象とした安全教育プログラムの試案を検討中であり、その実施の可能性について関連病院の看護部と具体的な話合いを持っている。本年6月から7月にかけて試案を実施し、その効果測定を行う予定である。
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