研究課題/領域番号 |
08672706
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
看護学
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研究機関 | 茨城県立医療大学 (1997) 自治医科大学看護短期大学 (1996) |
研究代表者 |
金子 昌子 茨城県立医療大学, 保健医療学部・看護学科, 講師 (70194909)
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研究分担者 |
神山 幸枝 自治医科大学看護短期大学, 看護学科, 助教授 (60204632)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | 舌切除 / リハビリテーション / 摂食障害 / ストレスコーピング |
研究概要 |
本研究は、舌切除後の摂食に関するリハビリテーションプログラム試案を作成するために、(1)舌切除者のストレス過程、(2)ストレス反応が低く生活への適応が促進されていると判断できるケースの、摂食の実態について明らかにした。 その結果、障害に対して問題解決的コーピングを多く用いる人はストレス反応が低く、消極的感情調整コーピングを用いる人はストレス反応が高かった。舌切除後のストレス反応は障害に対するコーピングに影響され、舌の切除範囲に規定されるものではないことが明らかになった。特に、摂食に関するコーピングは問題解決的コーピングが多く用いられ、個別的な代償的アプローチが展開されていた。摂食過程における代償的アプローチは、捕食の段階では(1)顔の挙上と(2)食物を置く位置(3)用具の利用(ストロー)、咀嚼の過程では(1)箸やスプーンによる食塊の移動と(2)食物形態の工夫(ミキサ-食・刻み食・納豆や山芋などの食品の利用),送り込みと嚥下の過程では(1)水分や汁物を用いる(2)頭部を後屈した姿勢の工夫を行い摂食を可能にしていた。送り込みと嚥下が最も困難なものにパン類と薬の錠剤があった。また舌の広がりにより咀嚼障害が徐々に改善した人が数名いた。この数名の生活習慣には、歌を歌うなど舌運動を活発に行う習慣があった。 従って、舌切除後の摂食の再学習に関するリハビリテーションプログラムは、摂食を開始する段階で、舌切除者自身が自分に生じている問題を客観的に認識し解決する手段を試行できるような心理的プログラムを立案する。さらに、残存舌の運動性を高めるリハビリテーションに加え、様々な代償的アプローチを取り入れたプログラムが必要である。
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