研究概要 |
1.母親からみた子育て支援 昨年度の対象に5歳時点での追跡調査を行い,祖母と母親のペアマッチのできた180組について分析し論文報告した. 1)「母親からみた子育て支援の実態-幼児期のおける縦断調査」 (1)母親の子育て支援感は,祖母より父親に高く有意差が認められた.ただし,子育て支援の満足感では,父親と祖母とで有意差は認められなかった. (2)母親が子育て支援を受けていないことへの不満足感は,祖母に比較し父親に対して高く有意差が認められた. (3)子育て被支援感は3歳時と比較し,祖母では減少し,父親では増加していた. (4)祖母の子育て支援内容は,3歳と5歳で有意に関連しており,幼い頃からの関わりが5歳時での関わりに影響していると考えられた. これらのことから子育ては親(父母)が行い,祖母は家族の育児機能を高めるために支援者として存在していると考えられた. 2.新生児期における家族の育児機能について 新生児期における家族の育児機能,それを高める祖母などの支援をみるため,子育ての実態調査を行った.その一部を分析し論文報告した. 1)「新生児期における父親の子育てと父性意識について」 (1)毎日子育てしているのは6割であり,「妻を助けたい」や「子育ては当たり前」とする者が7割を占めていた. (2)父親の子育ては,9割があやす・抱っこを,6割が沐浴を行っていた.情緒的支援が半数であった. (3)父性意識は,直接的な子どもの世話,妻への情緒的支援,家事協力などをしている者に高く有意差が認められた. 2)「新生児の孫を持つ祖母の子育て参加に対する気持ち-母方・父方祖母による比較-」 (1)新生児期では里帰りなどにより祖母が子育て支援をすることが多い実態であり,母方祖母8割,父方祖母2割であった. (2)母方祖母の特徴は,情緒的支援をすることが肯定的な気持ちと関連していた,父方祖母では有意差が認められなかった. 3.その他,学会発表 新生児期における父親の子育て参加について,産後1ヵ月の母親の子どもに対する気持ちと子育て支援(第38回日本母性衛生学会,1997で発表)新生児期における父親の意識と子育て参加との関連性(第44回日本小児保健学会,1997で発表)
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