研究課題/領域番号 |
08680004
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研究機関 | 昭和女子大学 |
研究代表者 |
中島 利誠 昭和女子大学, 生活科学部, 教授 (00013152)
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研究分担者 |
山野 春子 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助手 (90242338)
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キーワード | 定常時の布物性値 / 非定常時の布物性値 / 時定数 / 布表面の熱移動に関わる時定数 / 布固有の見掛けの熱伝導値 / 布固有の透湿に関わる時定数 / 布固有の透水に関わる時定数 / 布表面の水分移動に関わる時定数 |
研究概要 |
衣内環境の激変時の感覚と材料物性値の対応を考えるに当たり、定常状態の物性値のみならず、非定常状態での物性値が必要である。今までこの視点からの研究はなかった。 本研究は、非定常状態に於ける衣服材料の熱移動ならびに水分移動に関する新たな物性値の提案のために行ったが、本手法はアパレル分野のみならず、広く感性の関わる製品評価法の在り方として、人間を中心に据えた技術評価にも寄与できると確信する。 本研究に於いては、赤外線放射温度計、温湿度センサーならびに装置制御、データ整理用のパーソナル・コンピュータとその付属品を現有設備に併せて使用し、衣服の熱移動特性と水分などの物質移動特性面から捉えた衣服材料の非定常物性値という新概念を提案した。 (1)非定常状態に於ける布の伝熱指標として、布の熱刺激に対する温度変化を経時的な測定値から、布の温度変化に対する時定数を定義した。布の熱移動に関する時定数には、布固有の見掛けの熱伝導に関する時定数と布の表面特性に関する熱移動に関する時定数の2種類が考えられ、本研究では布表面特性の関わる熱移動の時定数を実験的に求めた。この物性値が放射・対流に関わる非定常時の特性値として有用であることが判った。 (2)非定常状態に於ける布の水分移動指標として、布の水分移動に関する時定数を定義した。布の水分移動に関する時定数には非定常時に於ける布固有の透湿に関する時定数と、透水に関する時定数と、ならびに布表面特性に関わる時定数の存在することが判った。 熱移動に関する時定数と水分等物質移動に関する時定数の相互関係については、今後の検討を続ける予定である。
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