研究概要 |
平成8年度の成果 1)グルテリン65kDAサブユニット(G65)の単離と性状解析。 アワ脱脂粉末を1モル食塩水で3回連続抽出し続いて50%プロパノールで4回連続抽出して塩-アルコール不溶残渣を分画した。これを5モル尿素-2%SDS(5U)を含む50mMトリス塩酸緩衝液、pH8.6(TUSバッファー)に溶かし(室温で1時間攪拌)、その遠心上清に2倍容量のアセトンを加えてG65の粗画分を沈殿させ乾燥物を得る。乾燥G65はCM-CL6Bセファローズカラム(20mMリン酸緩衝液、pH6.6)で精製した。精製G65を2次元電気泳動で分画すると等電点が9付近の塩基性単一ポリペプチドが提示されたので現在PVDFメンブレンに転写してN-末アミノ酸配列順序を解析中である。 2)Total-Porisomeの分離。 開花後のアワ穂を定期的に採集し直ちに液体窒素に収納し、ついでマイナス80℃に凍結保存した。凍結試料は液体窒素中で摩砕し抽出緩衝液(0.2MToris-HCl(pH 8.5)-0.25M sucrose-60mMKCl-50mMMg acetate-20mMEGTA-5mM mercaptoethanol)を3:1に加えてホモジナイズしチーズこし布で濾過した後1.300g 10 minの遠心上清をとり、これより35,000g 15 minの沈殿物を分取して膜結合ポリソームを得た。これを1%Triton-抽出緩衝液に浮遊させ、35,000 10 minの遠心上清を取り8mlの1.5M sucrose-40mMTris/HCl(pH8.5)-40mMKCl-10mMmg acetate上に乗せて8,8000g3時間超遠心して粗ポリゾームを得え現在蔗糖密度勾配遠心(10-40%)で精製中である。
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