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1997 年度 実績報告書

フルオロアルキル基含有オリゴマー類によるFLIP-FLOP型SR加工に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08680031
研究機関大阪市立大学

研究代表者

川瀬 徳三  大阪市立大学, 生活科学部, 助教授 (60152956)

キーワードSR加工 / フルオロアルキル基 / ポリオキシエチレンオクリレートオリゴマー / FLIP-FLOP / 撥水・撥油性 / 表面改質 / ESCA分析
研究概要

皮脂汚れの洗浄を対象とした加工には,表面を疎水化して汚れの付着を防ぐSoil Repellent加工と,反対に親水化して洗浄時の除去を促進させるSoil Release加工の2つのタイプがある。本研究では,1つの加工剤で両方の機能を発揮する,すなわちFLIP-FLOP性を有する加工剤の開発とその界面化学的考察を以下のように行った。
パ-フルオロアルカノイルパーオキサイドと親水基としてエチレンオキサイド鎖を有する重合性モノマーとの反応により,両端にフルオロアルキル基が導入されたオリゴマーが容易に合成される。このポリオキシエチレンユニットを有するオリゴマーは汎用有機溶剤に可溶であり,通常の繊維加工と同様な条件でポリエステルを表面改質し,表面でのFLIP-FLOP性を基礎的立場からまず検討した。
着用時を想定し,空気中でフルオロアルキル基がどの程度空気側に配向しているかをESCZスペクトル測定により調べたところ,表面フッ素濃度は非常に高いことが分かった。これは,デカンの接触角測定からも支持され,表面は明らかに撥油性(Soil Repellent性)であることを示している。一方,水との接触角測定において,水と接触直後は撥水性であるが,接触時間の経過とともに接触角は激減しオキシエチレンユニット数が大きいものでは10分程度で接触角はほぼ0度となり,水環境下では表面は親水性に転じることが示され,FLIP-FLOP性を有する加工剤として十分期待がもてることが分かった。
次に,このオリゴマーによりポリエステル布を加工し,各種極性の油汚れを用いてモデル洗浄実験を行ったところ,期待通り極性の低い(あるいは無極性)油汚れは未加工布よりも洗浄性は向上し,一方,極性の高い油汚れの洗浄性は僅かではあるが低下した。このことは,繊維表面は空気中では撥油性であるが水中では親水性になっていることを示しており,当初の目的であるFLIP-FLOP性を有する加工剤の開発に成功したといえる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 川瀬徳三: "両端にフルオロアルキル基を有する新規アクリレートオリゴマーによるポリエステルのSR加工" 油化学. 45. 259-265 (1996)

  • [文献書誌] H.Sawada: "Synthesis and surfactant properties of novel fluoroalkylated amphiphilic oligomers" J.Chem.Soc.,Chem.Comm.1996. 179-180 (1996)

  • [文献書誌] H.Sawada: "Synthesis and Surface Properties of Novel Fluoroalkylated Flip-Flop Type Silane Coupling Agents" Langmuir. 12. 3529-3530 (1996)

  • [文献書誌] T.Kawase: "Fluoroalkylation of polyester by end-capped fluoroalkyl-functional silanes" J.Adhesion Sci.&Technol.11. 1381-1397 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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