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1997 年度 実績報告書

加工食品中に残存する活性型アレルゲンの検出

研究課題

研究課題/領域番号 08680048
研究機関川崎医療福祉大学

研究代表者

加藤 保子  川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (10082356)

キーワードオボムコイド / β-ラクトグロブリン / パン調製 / パスタ調製 / 抗原性 / 鶏卵 / スキムミルク / 小麦粉
研究概要

昨年度は,小麦粉を主原料とする加工食品としてパンを調製して卵白中主要アレルゲンであるオボムコイド(OM)の抗原性の変化を特異抗体を用いて検討した結果,混ねつや発酵過程では変化しなかったが,焼くとOMの抗原性は著しく減少した.今年度は,スキムミルク添加パンを調製し,調製過程におけるβ-LGの動向を検討すると共に,鶏卵白添加パスタを調製して,次の結果を得た.
1.強力粉にスキムミルクを添加してパンを調製し,各調製過程から塩溶性画分を抽出し,β-LG特異抗血清を用いたimmunoblottingおよび競争阻害ELISA法によってβ-LGの検出を行った.
2.混ねつ後,一次,二次発酵過程を経てもβ-LGは塩溶性画分に残存したが,180℃で20分間焼いてパンを調製するとβ-LGの抗原性はほぼ完全に失われた.
3.スキムミルクを小麦粉に対して1/2量添加してもβ-LGは塩溶液でほとんど溶け出さなかった.このパンの栄養を市販パンに比べると,カルシウムおよびビタミンB2は6〜7倍量補強された.
4.デュラムセモリナ粉に鶏卵白を添加してパスタを調製し,混ねつ時間(10〜50分)による塩溶性OMの検出を,1時間の寝かせ後および100℃,15分間の茹で後のパスタで調べた.混ねつ時間に関係なく,ドウからOMは溶出したが,茹でたパスタからは全く溶出しなかった.混ねつ時間が20分以下の場合にはOMは茹で汁にかなり溶出したが,30分以上混ねつすると茹で汁からもOMは検出されなかった.
5.加熱したパンおよびパスタに含まれるアレルゲンタンパク質(OM&β-LG)は2-ME存在下のSDSで溶出したことから,これらのタンパク質は小麦グルテンとSH, SS交換反応によって変性・不溶化したと考察した.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yasuko Kato: "Decrease in Ovomucoid Antigenicity in the Process of Breadmaking Supplemented with Egg White" Food Sci.Technol.Int.Tokyo. 3. 362-365 (1997)

  • [文献書誌] 加藤保子: "オボムコイド除去卵白の調製とそれを用いた卵料理の試作と評価" 日本栄養・食糧学会誌. 50. 303-309 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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