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1996 年度 実績報告書

ラミネート型染着拡散モデルによる羊毛繊維集合体の染着機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 08680059
研究種目

基盤研究(C)

研究機関県立新潟女子短期大学

研究代表者

佐々木 博昭  県立新潟女子短期大学, 生活科学科, 教授 (20123218)

研究分担者 伊藤 啓  平安女学院短期大学, 生活学科, 助教授 (20213077)
キーワード繊維集合体の染色 / 羊毛 / 酸性染料 / 拡散境界層 / 拡散係数の濃度依存性
研究概要

繊維集合体への染料の拡散は、繊維表面に境界層が存在する事が知られ、拡散境界層と呼ばれている。これまで、拡散境界層理論を用いて染色挙動が検討されているが、濃度依存性がある系で検討された例はほとんど無い。羊毛/酸性染料系では、繊維内の染料の拡散係数は濃度依存性があることが報告されている。本研究では、脱スケールした羊毛布を用い、積層状態にして繊維集合体のモデルとした。pH4.1、60℃でOrange IIの積層羊毛布中の拡散のプロフィールを求めた。また、吸着等温線を求めたところLangmuir型で近似でき、Langmuir型の分配係数は4.69x10^3dm^3/mol、飽和値は6.18x10^<-4>mol/gであった。次に拡散境界層理論においてパラメーターに濃度依存性がある場合、拡散係数の濃度依存性を示す関数を設定し、Langmuir型吸着に起因する境界条件を決定しなければならない。理論的に導かれた境界条件のもとに拡散方程式を解くことになるが、この場合解析解は得られないので差分近似による数値解析を行った。実験的に得られたプロフィールに対しカーブフィッティングによりパラメーターを決定したところ、拡散係数は濃度0のとき1.0x10^<-8>cm^2/sが得られた。また、吸着速度は染色初期に時間遅れがみられ拡散境界層の存在を示したが、表面濃度の時間による上昇はみられず表面濃度は時間によらずほぼ平行濃度に等しかった。このことは、羊毛/酸性染料という繊維と染料の相互作用が強いケース特有の現象であることがわかった。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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