9月20日に本年度の予算のほとんどを占める、島津高速液体クロマトグラフ(HPLC)一式が納品された。それに先立ち研究分担者の一人が夏休み中に機器分析化学会主催のHPLCの研修をうけてきた。また、研究代表者はオランダ、ライデン大学で開催された第11回国際カロテノイドシンポジウムに出席し、加熱調理操作による縁葉カロテノイドの変化についてポスター発表をしてきた。この時、スイス、べルン大学の研究者が、クチナシのコロテノイド分析、同定しているポスターがあり、日本におけるこれまでの研究成果に触れていないのでその点のコメントをつけてきた。 HPLCそのものが本学に初めて設置されたため、研究分担者に取り扱いになれてもらうため、まず、ホウレンソウなどのカロテノイドの分析から入った。 10月末には京都府立大学で行われた第10回カロテノイド研究談話会に参加し、国内の研究者と情報交換をしながら資料を収集した。 クチナシを用いての分析は2月になってから行ったが、ピークの確認の段階で、推定、同定にはいたっていない。今回の補助金では購入出来なかったフォトダイオードアレイがあればカロテノイド分析には便利であるが、この点がこの研究を続行していく点で大きな難点となる可能性がある。この機器を所有して、植物のカロテノイド研究をしている熊本大学教育学部、植物学研究室との連絡を密接にしていく必要があると考えている。
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